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掲載日:2016.2.24
世界的に権威ある学術雑誌『Science(サイエンス)』に、薄毛で悩む人にとって見過ごすことのできない最新の研究成果が発表されました。

その気になる掲載内容とは、ズバリ〝薄毛のメカニズムを解明した〟というものです。

もし、それが本当に有益な記事であるならば、私を含め、薄毛にコンプレックスを持つ者にとって、久しぶりに明るい話題となりますが、これまでにも薄毛治療薬の開発に大きな期待を抱かせるような研究報告はいくつか報告されてはきたものの、その後の成果については、あなたもご存じのとおり、現時点においては「フィナステリド(プロペシア)」や「(ミノキシジル(リアップ)」に取って代わる目覚ましい治療効果が望める特効薬はいまだ開発されておらず、正直、手放しで喜べないという人も少なくないはずです。

では、今回『Science』誌上に掲載された記事とは、具体的にどんな内容の研究内容であったのか・・・?

イラストを交えながら、できるだけ解りやすく説明していくので、関心のある方は一読してみてください。



学術雑誌『サイエンス』に掲載された論文の内容

2016年2月5日付けの国際科学誌『Science(サイエンス)』に掲載された記事は、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授を中心とした研究グループ(松村寛行助教授、毛利泰彰特任助教授など)が発表した研究成果で、その内容は概ね次のとおりです。
人間と同じように、野生のマウスも加齢によって薄毛が見られることから、同研究チームは毛を生み出す細胞を作る毛包幹細胞に着目し、次のような事実を突きとめた。

マウスの毛包幹細胞を追跡(観察)したところ、生後16ヶ月頃から毛包幹細胞が自己複製しなくなり、幹細胞の一部が表皮の角化細胞(ふけ・垢)へと変わり、皮膚表面から剥がれ落ちることが判明。

また、その過程において毛包自体が退化するため、生えてくる毛は次第に細くなり、最後には毛穴すら消失してしまうことも分かった。

この仕組みに大きく関わっている物質が〝17型コラーゲン〟と呼ばれるたんぱく質の一種である。

幹細胞の機能を正常に保つために欠かせない、この重要なたんぱく質が、加齢によって分解が進むと、毛保管細胞がこれまでのように正常に機能しなくなるため、徐々に表皮角化細胞へと変わり、最終的には毛包全体が縮み、毛が生えなくなることをマウス実験により見出したが、この仕組みは、人の頭皮の毛包においても同様の現象を確認することができた。


老年性薄毛の仕組みイメージ
つまり、これまで男性型脱毛症に見られる大きな特徴のひとつとされてきた毛包の退化(ミニチュア化)が、生理的な加齢によっても進行するという事実がはじめて明らかにされ、老化による薄毛・脱毛の原因がコラーゲンの現象にあったということが判明したわけです。

『Science』で発表されたこの研究成果は、新聞(読売、朝日、毎日、日経など)やテレビ(テレ朝など)などの各メディアでもこぞって取り上げられましたが、この記事がなぜ注目を浴びているのかというと、それは薄毛の原因が〝17型コラーゲン〟という特定物質の減少にあると突き止めた点にあります。

つまり、17型コラーゲンの減少を抑制する治療法さえ確立すれば、理論上、薄毛で悩むことがなくなるからです。

ここまでの説明を聞くと「だとしたら、これまで自分が模索しながら継続してきた、あらゆる薄毛ケア(育毛剤、サプリメント、シャンプーなど)はいったい何だったんだ!すべて無駄な足掻きだったのか!?」と嘆きたくもなりますが、そう単純な話ではないのが薄毛の悩みです。

というのも、今回の研究グループが解明した薄毛のメカニズムは、あくまで〝老化〟による薄毛の仕組みについてであって、男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の影響が大きくかかわっているとされる男性型脱毛症(AGA)による薄毛・脱毛のメカニズムとは大きく異なるため、AGAによる薄毛・脱毛症治療に対して、いったいどれだけ役立つ情報なのかははっきりしません。

研究結果のポイントまた、たとえ生理的な老化(加齢)を原因とする薄毛であっても、現時点では、老化による薄毛の仕組みが新たな視点で解明されたというだけで、まだ治療薬が開発されたわけではありません。

同研究チームは「コラーゲンの減少を抑制し、脱毛を防ぐような治療薬を5~10年で開発したい」と話しているように、仮に有効な治療薬が誕生するとしても、どうやらしばらく時間はかかりそうです。

一方で、新薬がまだなら、次のような考えを持つ方もいるかもしれません。

薄毛を進行させる物質は特定されたのだから、コラーゲンを減らさないような食事やサプリを日常生活に取り入れればいいのではないか?と・・・

その気持ちや理屈は十分に分かります。

分かりますが、コラーゲンであれば、どんなものでも構わないという単純な話ではないのです。

人の体をつくっているコラーゲンは、現在わかっているものだけで約20種類ほどの型が存在しますが、老化による薄毛の進行を抑えるコラーゲンは、先ほど説明したように〝17型コラーゲン〟であると特定しています。

つまり、それ以外の型のコラーゲンを摂取したところで、果たして薄毛ケアにどれだけ効果があるかどうかは分からないということです。

また、この17型コラーゲンを増やす(あるいは抑制)ような食べ物やサプリメントなどは、残念ながら現時点においては存在しません。

※ 補足:そもそも、コラーゲン入りの食品やサプリを摂取したところで、体内で分解されてしまうため、あまり意味がない。では、外用薬として頭皮に直接塗布したらどうかという考えもあるが、皮膚から吸収することのできる成分は微々たるもので、老化によるコラーゲンの減少抑制にどの程度、作用するかは不明・・・

そのため、今回、世界的に有名な科学誌『Science』に掲載された薄毛に関する記事は、今後の〝老人性脱毛症〟の治療薬の開発に役立つ研究成果であることは間違いなさそうですが、今すぐどうこうできるような情報ではないため、今後の進展に期待したいところです。