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プロペシアを服用された方の約98%(3年間)で、AGA(男性型脱毛症)の進行が認められなかった(一方、軽度悪化以上の効かない人は2%程度)とする治験データを万有製薬(現MSD)は数年前に公表しています。

※ 万有製薬はシュリング・プラウ社との統合(2010年10月1日)により「MSD株式会社」となっています。

この数値だけ見るとプロペシアは非常に高い効き目があり、AGAで悩む患者にとっては夢のような特効薬にも思えますが、このデータには少なくともひとつ注意しなければならない点があります。

MSD製プロペシア錠1㎎の画像それは服用者全員の毛髪が目に見えてフサフサに生えてきたわけではない!ということです。

MSDが販売しているプロペシアの添付文書には〈資料①〉に示すような治験データが記載されており、旧万有製薬の公式サイトでは〈資料②〉に見られるようなデータが公表されていました。
〈資料①:国内臨床成績〉

24歳から50歳の男性型脱毛症患者414例を対象とした48週間のプラセボ対照二重盲検比較試験において、頭頂部毛髪の変化を写真により7段階で評価した結果、本剤投与群(0.2mg/日及び1mg/日)はプラセボ群と比較して統計的に有意な改善を示したが、実薬群間では統計的な有意差は認められなかった。投与前と比べ48週で改善と判定されたのは、0.2mg投与群で54.2%(71/131例)、1mg投与群で58.3%(77/132例)、プラセボ群で5.9%(8/135例)であった…

【参考:プロペシア(MSD)の添付文書】
資料②:プロペシア錠1mg投与
頭頂部 前頭部
投与1年後 投与3年後 投与1年後 投与3年後
改善 著明 1.5% 6.1% 0.8% 2.0%
中等度 9.1% 37.4% 46.2% 37.4%
軽度 47.7% 34.3% 46.2% 37.4%
不変 40.2% 20.2% 40.2% 25.3%
軽度 1.5% 2.0% 1.5% 3.0%
中等度 0% 0% 0.8% 0%
著明 0% 0% 0% 0%
【万有製薬(現:MSD)の資料参考】


これらの資料によると、頭頂部・前頭部問わず、1年間の服用で被験者の約2人に1人は改善効果があったと判定され、現状維持(不変)を含めれば、その有効率はなんと約98%にまで跳ね上がりますが、〈資料②〉をよく見てみると、被験者98%の毛髪が皆一様にフサフサに戻ったわけではありません。

つまり、98%という数値の中には、現状維持はもとより、見た目にそれほど変化のなかった(たとえば、産毛が生えた…など)軽度改善の被験者も含まれていると思われるため、プロペシアを服用すれば、ほぼ全員の患者が必ずしもフサフサの毛髪を取り戻せるかというとそうではなさそうです。

この点を踏まえた上で、プロペシアが効かない(効きにくい)人とは、いったいどのようなタイプの人であるのか少しまとめてみましょう。





プロペシアが効かない脱毛タイプを知ろう!

AGA以外の脱毛症による異常脱毛
そもそもプロペシアが薄毛治療に効くとされる理由は薬品に含まれる有効成分フィナステリドの作用にあります。

年齢とともに大半の男性の髪を悩ませることになるAGA(男性型脱毛症)の主原因のひとつは、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる強力な男性ホルモンが深く影響していると考えられていますが、このジヒドロテストステロンの生成を阻害する有効成分がフィナステリドです。

※ ジヒドロテストステロンは男性ホルモンである〝テストステロン〟と、頭部の毛乳頭に含まれている物質〝5α‐リダクターゼ(酵素)〟が結合することによって生成されますが、フィナステリドには、この5α‐リダクターゼの働きを抑制する効果があります。

AGAの進行パターンしたがって、プロペシアは、5α‐リダクターゼの働きを抑制することによって異常脱毛を食い止める治療薬なので、それ以外(つまり、AGA)のタイプの脱毛症には効かないことになります。

つまり、具体的には円形脱毛症や脂漏性脱毛症、あるいはひこう性脱毛といった他のタイプの異常脱毛に対しては、プロペシアを何年服用しようが効かないということです。
AGAであっても効かない(効きにくい)タイプとは?
はっきりとしたことは解っていませんが、たとえAGAによって脱毛が進行していると見られても、プロペシアが効かない(効きにくい)タイプの患者はいるようです。

症状の程度や個人差(体質など)もあるので、一概にすべての患者が効かないと断言はできませんが、ひとつはAGAの進行が始まってから長期間経過していたり、治療に入る前に既に広範囲に脱毛部位が見られるようなタイプの患者が当てはまると言われています。

このようなタイプの患者に対してプロペシアが効かない(効きにくい)と考えらえている理由はなぜか、その点について少し補足しておきましょう。

人の毛髪にはヘアサイクルというものがあり、健康な毛髪は下記に示すようなサイクルを繰り返しているため、一度生えた髪の毛が永遠に伸び続けるわけではなく、一定の期間を経ると自然に抜け落ちます。
成長期:頭髪の約80~90%

毛母細胞が分裂を繰り返し、太くて長い新しい髪の毛が伸び始める期間。新たな髪の毛を成長させる時期であるとともに、休止期末期の古い毛が抜け落ちる時期でもある。(男性…3~5年/女性:4~6年)
矢印
退行期:頭髪の約1%

細胞分裂が止まり毛乳頭の働きが低下する期間。通常、2~4週間かけ、徐々に髪の成長が衰え、しだいに毛球が硬くなる。退行期末期には毛母と毛乳頭が分裂し、成長が完全に止まる。
矢印
休止期:頭髪の約10%

毛母細胞の活動が完全に休止した毛は新たな毛髪の生成を準備すると自然に抜け落ちる。(3~6ヵ月)
ところが、テストステロンと5α‐リダクターゼによって強力な男性ホルモンDHTが生成されると、毛母細胞にダメージを与え、健康な毛髪の育成を阻害しだします。

すると、これまで正常なヘアサイクルが繰り返されていたものが、DHTの作用によりヘアサイクルのリズムが乱され、しだいに成長期の期間が短くなり、退行期から休止期に入る毛髪の割合が増えてしまいます。

本来、男性ならば3~5年程度かけて育っていくはずの成長期が、2年…1年…数か月…と徐々に短くなっていくと、当然、毛髪が太く長く育たないうちに抜け落ちてしまうことになるため、細く短い毛が目立つようになり、結果的に地肌が透けて見えるような薄毛が進行するというのがAGAの典型的な仕組みのようです。

※ 初期段階のAGAにおいては、地肌が透けて見えるようになっても、産毛は残っているケースが多いようです。

そこで、ヘアサイクルを乱していると考えられるDHTの生成を阻害するのが、プロペシアの有効成分フィナステリドです。

つまり、プロペシアとは男性ホルモンの影響で長い間眠っていた休止期の毛根を刺激し、再び活動させ、短縮された成長期の期間を伸ばすことで、今まで失っていた毛髪を取り戻すための治療薬といえます。

したがって、頭部に毛包が存在していれば、プロペシアによってヘアサイクルを正常化し、髪の毛を太く長く成長させる可能性はゼロではありませんが、AGAの進行を長期間放置(個人差もあるため、ハッキリしたことは解りませんが、5年以上がひとつの目安という医師もいるようです)していると、毛包が退化してしまう恐れがあると考えられています。

毛包が退化してしまうと、どうしても髪の毛は生えにくくなるので、AGAの進行を長期間放置していたような患者にはプロペシアが効かない(効きにくい)こともあるようです。

次に、AGAであるのにプロペシアが効かない(効きにくい)とされる2つ目のケースですが、それはDHT(ジヒドロテストステロン)に対する感受性の違いによるものです。

先に説明したとおり、AGAは強力な男性ホルモンDHTが深くかかわっていると考えられていますが、もう少し専門的な話をすると、アンドロゲンレセプター(男性ホルモンと反応し、遺伝子の発現調節をおこなう核タンパク質の総称)にこの物質が反応するとAGAによる脱毛症が進行すると考えられています。

これまで、AGAの原因は男性ホルモンの量が大きく影響していると言われてきましたが、近年はアンドロゲンレセプターとDHTの感受性が高い人ほどAGAを発症しやすいということが解ってきました。

そして、この感受性は遺伝により差異があるようで、感受性が高い人ほどAGAになりやすいと考えられています。

プロペシアはDHTの生成を阻害する薬剤であることから、どちらかというと男性ホルモンに対して反応しやすいタイプのAGA患者に対して、より有効に作用することが考えられます。

したがって、感受性が低いにもかかわらず、AGAが進行しているようなタイプの患者にプロペシアを処方しても効きにくい(効かない)場合があるようです。

※ 男性ホルモンに対する感受性はアンドロゲンレセプター遺伝子検査によって調べることが可能だと言われています。


AGAドックとは?

将来的な薄毛の心配を遺伝子レベルでチェックすることができる検査キットがAGAドックです。

AGAは男性ホルモン中のアンドロゲンによる影響が大きいという説があり、近年は将来的な薄毛の心配を遺伝子レベルでチェックすることができる『AGAドック』のような検査キットが注目を浴びています。

価格がやや高いこと、また検査結果が本当に信頼できるものなのかといった点は少し気になりますが、他人に知られず自宅で簡単に行える検査キットなので、薄毛で悩んでいる方は、参考程度に試してみるのも良いかもしれません。