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自毛植毛には興味があるけど、失敗したらどうしよう・・・

と、不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。

日本皮膚科学会が2010年にまとめた『AGA診療ガイドライン:PDF』によると、自毛植毛は、フィナステリドやミノキシジルに次ぐランクBの高い評価を受けた治療手段であり、内服薬(プロペシア)や市販の育毛剤(リアップなど)では改善効果が期待できない場合に、選択肢のひとつとして勧められるとしています。




ただし、このガイドラインでは、自毛植毛手術は〝十分な経験と技術を持った熟練者が行う場合に限って推奨する〟と条件を限定している点に注意が必要です。

近年は米国ほどではないにせよ、国内でも自毛植毛を行うクリニックが増えていますが、実はそれに比例して、失敗を含めた様々な問題も増えたと言われています。

一昔前の自毛植毛手術は技術や術式そのものが発展途上段階にあったため、確かにいろいろと問題も見られたようですが、その後の医療技術の進歩により、現在の術式は熟練者のもとで行われる分には、安全性の高い治療法なので、本来、トラブルは減る方向に向かってよいと考えられています。

にもかかわらず、トラブルが減らないのはなぜか?

それは、どうやら自毛植毛手術そのものに問題があるというよりも、施術者の知識不足や未熟な技術力の方に大きな問題があるようです。

そこで、自毛植毛によって起こりうる失敗にはどんなものがあるのか、その主なケースや問題点について少し整理してみましょう。



自毛植毛手術で起こりうるトラブルとは?

ひとくちに自毛植毛手術で起こりうる〝失敗〟といっても、様々な例がありますが、大きく分けると次の3タイプに分けて考えることができそうです。
チェック傷跡に関する失敗例
チェック仕上がりの不自然さに関する失敗例
チェック移植後の定着率に関する失敗例
そこで、失敗では?と思われる具体例を交えながら、タイプごとの問題点についてまとめておきます。

傷跡に関する失敗例

自毛植毛で起こりうる失敗の中では最も分かりやすく、数も多いと言われているタイプが、この傷跡に関するトラブルです。

自毛植毛は、文字どおり、今現在残っている自分の毛髪を利用して、薄毛やハゲが気になる部位に移植する外科手術なので、ドナー(移植元)となる毛髪の採取時と、その採取した毛髪を移植する際に少なからず頭皮を傷つけることになります。

近年における自毛植毛手術はFUTとFUEと呼ばれる術式が主流のようなので、この2つの術式を例に挙げ、どのような傷跡が残るのか説明しましょう。

まず、FUT(Follicular Unit Transplantation)ですが、この術式は、通常、男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部(あるいは、側頭部)の毛髪を頭皮ごと横長の帯状にメスで切り取るため、採取後は患部を縫合して閉じる必要が出てきます。

つまり、採取後の皮膚の端と端とを引っ張り合わせて縫合するので、FUTでは、ドナー部分に線状の傷跡がどうしても残ってしまうわけです。
縫合イメージ
そのため、自毛植毛で、このFUTの術式を選択した人の頭部に見られるライン状の傷跡は、必ずしも手術による失敗というわけではないのですが、未熟な医師切除・縫合すると、本来であれば残らないで済むはずの傷跡が残ってしまうケースもあるようです。

したがって、必要以上に大きくて目立つ傷跡が残ってしまうような場合には、手術の失敗と言えるかもしれません。

また、ドナー部分の縫合によって起こりうる後遺症のひとつに頭皮のツッパリ感があります。

これは、皮膚片を切り取った頭部の上下の皮を引っ張り合わせて縫合するため、頭皮の柔軟性がなかったことを原因とするトラブルです。

手術痕の画像頭皮の柔軟性をまったく考慮せずにドナー採取をしてしまうと、頭皮のツッパリ感という後遺症(医師が考慮せずに適当にドナー採取をしていたとなると、これも失敗と言えるかもしれません)に悩まされるリスクもあるので、自毛植毛を希望される方は、必ずその点も十分に納得のいく説明を受けた上で手術に臨むことが大切です。

一方、FUEによって起こりうるトラブルにはどんなものがあるか、考えてみましょう。

FUEとは「Follicular Unit Extraction」の略で、先に紹介したFUTと大きく異なるのは、ドナー採取にメスを使わず、専用の医療機器(パンチ)を使って毛根をくり抜く点です。

そのため、FUTのようにドナー採取に帯状の皮膚片を切り取る必要がないことから、縫合による線状の傷跡が残らないという利点がありますが、かといって傷痕が全く残らない術式かというとそうではありません。

先にも説明したように、パンチ(直径約1mm)と呼ばれる専用の機械で株を直接ひとつひとつくり抜いていくので、ドナー採取後は、くり抜いた株の分だけ、白くて丸い傷跡(パンチよりも一回りくらい大きいサイズ)が残ることになります。

特に黄色人種の頭皮は、点状の白くて丸い傷跡(いわゆる、虫食い状態)が目立ちやすく、色素沈着を引き起こすリスクも高いようなので、広範囲のドナー採取を行うと、線状の傷跡よりも、かえって目立つ場合もあるようです。

傷跡の比較このように、自毛植毛手術では術後の傷痕が避けて通れない問題ですが、基本的に丸坊主に近い刈り込みをしない限りは大半の傷跡は隠すことができるとされています。

したがって、傷痕が残ってしまうこと自体は失敗でもなんでもないので、問題は最小限の傷跡になるような技術力があるか、また、患者が望む術後のヘアースタイル(短髪にしたいなら、ケースにもよりますがFUTの方が傷跡が目立ちにくい)や移植範囲等を考慮した上でどちらの術式が適しているのか、それぞれの特徴をしっかりと熟知した上で見極め、患者に説明できる医師であるかどうかが重要になってきます。



仕上がりの不自然さに関する失敗例

自毛植毛で傷跡以外にトラブルとなりやすいのが、仕上がりの不自然さです。

人工毛植毛とは違い、自らの毛髪を移植しているので質感の不自然さが問題になることは稀なようですが、仕上がりの不自然さで植毛したことがバレてしまうケースがあります。

生え際の画像その典型的な例をいくつか紹介しましょう。

まず、ひとつめは、額の生え際の不自然さです。

一般的に男性の生え際は、女性とは違って境目がはっきりとしている人が多いようですが、よく見ると、若干、剃り込み部分に向かって後退するような、緩やかなカーブを帯びていたり(中には富士額もいますが…)、右記参考画像のように、生え際の毛もジグザグに生えている(産毛も見られる)のが普通です。

したがって、額の生え際に植毛手術を行う際は、この点を考慮しながら慎重に移植するのが常識ですが、技術力のない未熟な医師や生え際の特徴を考慮せずに移植してしまうようなクリニックでは、まるで定規で線を引いたかのような一直線に太い毛がいきなりびっしりと生え揃ってしまうという、なんとも不自然なラインが出来上がってしまいます。

この生え際の不自然さに関しては、特に施術者の技術力に大きく左右されるので、明らかに植毛したと分かってしまうような不自然な生え際にされてしまった場合は失敗と言えるでしょう(まあ、手術前のカウンセリング時に、生え際を自然に見せるだけの技術力を持った医師は、うちのクリニックにはいないという説明を受けていたのであれば話は別ですが…)。

次に密度に関する問題です。

欧米人に比べると、日本人の毛髪量は少ないらしく、成人男性の毛髪の本数は平均10万本程度ですが、さらに細かく見ていくと、1平方センチメートル当たりの本数は、約150~200本前後になるそうです(もちろん、個人差があるのですべての日本人男性に当てはまるわけでなない)。

つまり、この本数(密度)を無視して移植してしまうと、密度の濃い部分と薄い部分とに分かれてしまうため、植毛部分が浮いてしまう不自然な仕上がりになります。

また、人工植毛とは違って、自毛植毛はあくまで有限です(なぜなら、今残っている毛髪を採取して移植するので、髪の毛の本数自体が増えるわけでなない!)。

そのため、広範囲の植毛を望んでいると、移植する毛髪が足りず、自分がイメージしていたようなフサフサ状態にはならなかったという失敗とは別の問題も出てきます(あるいは、ドナー採取はできても、2度、3度受けるための費用が工面できなくなり、中途半端な結果に終わってしまうケースも…)。

※ 植毛できる間隔には限界があるので、一度の手術で移植できる密度(本数)はある程度決まっています。そのため、状態によっては2度、3度の植毛手術が必要になるケースも少なくないということを知っておくべきです。

したがって、移植することで、毛髪密度がどのように変化する(見える)のか、費用はどのくらい掛かるのか、手術前に医師としっかりと話し合っておくことが大切です。

そして3つめは、生え方に関する問題です。

毛髪をよく観察してみて下さい。

最も分かりやすいのはつむじ周辺部かもしれませんが、すべての毛がみな同じ方向に向かって生えているわけではありません。

つまり、毛髪の生える方向(角度)は場所によって微妙に変化しているのです。

つむじ周辺の画像そのため、植毛部位によっては、その角度を意識して移植しないと、非常に不自然な生え方をするデザインとなってしまいます(特に渦を巻いているようなつむじ周辺部への植毛は難しいとか…)。

この点も施術者の技術力に大きく左右される問題ですが、熟練者でもこればかりは毛髪が生え揃ってみないことには成功したなのか失敗したのかは判断が難しいところらしいので、植毛を希望する場所によっては、ある程度は覚悟しておいた方が良さそうです。

移植後の定着率に関する失敗例

移植後の定着率とは、要は発毛率のことです。

自毛植毛では、後頭部や側頭部の毛髪をドナーとして採取し、薄毛や脱毛が気になる部位に移植するわけですが、移植したすべての毛が新たな場所で根付くとは限りません。

近年の医療技術に加え、熟練者が行う手術であれば、移植後の定着率は90%を超えるとも言われていますが、すべての患者が同じ医師のもとで手術を受けるわけではありません。

特に自毛植毛の出来不出来は施術者の技術力に左右されやすい外科手術なので、みな一様に移植後の定着率は90%以上と考えるのはナンセンスです。

そのため、場合によっては移植後の定着率が驚くほど低く、ほとんど根付かなかったという失敗では?と思われるケースもあるようです。

では、移植後の定着率が低くなってしまう原因にはどんなことが考えられるのか、その点を少し整理してまとめておきましょう。
チェックドナーの採取・管理のミス

矢印ドナーとなる後頭部や側頭部の毛髪を採取する際、もっとも気を付けなければならないことは、いかに毛根を傷付けずに採取するかです。ドナー採取の際に毛根を損傷(切断など)してしまうと、移植してもうまく根付かないこともあるので、損傷の程度や数が多いほど、定着率は低くなります。また、採取したドナーの管理(株の乾燥や移植までの保存時間の長さなど)が悪いと定着率に影響することもあるようです。

チェック移植時のミス

矢印移植時のミスが原因と考えらえれるものとしては、まず密度に関するものが考えられます。つまり、無理をして一度に高密度で移植してしまうと、定着率が悪くなるといったものです。また、近年の主流は長い時間をかけて、一株一株、手で移植していくことになりますが、その際、適度な角度や深さに植える精度や手際の良さが求められます。そのため、経験の浅い未熟な医師が執刀すると、株が根付かず、定着率が低くなることもあるようです。

チェックその他

矢印ドナー採取や管理、移植時のミスがなかった場合でも、定着率が思わしくない場合があります。たとえば、患者の体質や特定の薬(高血圧や糖尿病など)を服用、あるいは、術後の不摂生な生活を原因としたものなどです。この場合は定着率との因果関係がはっきりしないので、手術そのものの失敗とは言い切れない部分があります。
自毛植毛はプロペシアやミノキシジル系育毛剤などの治療薬では改善効果が期待できない人の最後の手段ともいえますが、はっきりと目に見えて髪が生える可能性は高いものの、術後のリスク(特に見栄え)が心配だという人も多いようです。

自毛植毛も外科手術である以上、100%安全ということはないので、治療に関心のある方は必ず納得のいく説明を受け、リスクも十分理解した上で治療に臨むことが大切です。